ダンバー数をご存知ですか?
ダンバー数とは、1990年代にイギリスの人類学者ロビン・ダンバーが提唱した理論。 人がスムーズかつ安定的に関係を維持することができる人数を指すとのこと。 ダンバー氏によると、この数は霊長類の脳の大きさと関係があり、人間の限度は150人程度とされているそうです。
で、これは本当に当てはまると思います、という話です。
かつて大手情報産業会社で部長をやらせて頂いていた時に、担当組織が幸いにしてどんどん規模が大きくなっていったのは良いものの、途中から何が何だか、誰が何やってんだか、分からなくなったタイミングがありました。後から思い返してみると、これが正に150人くらいの組織になった時だったと思い当りました。

また、現職で関わっている会社の成長が途中で数年止まったり、ダウンしたりしているタイミングが正にこの150名前後の体制になったタイミングでした。
今日、所属する事業の強み・弱み・今後を検討する場があり、思い当ったので記載させて頂きました。
これに打ち勝つ手立ては何かあるのでしょうか?
たぶん、トップを頂点とした単純ピラミッドでなく、同じ思いや同じビジョン、最近ではパーパス(と言葉を変えただけで同じようなモノを使っていますが)などを一にした同士や分身を育成し、お互いに補完し合う事でカバー人員数を担保していくことなのではなかろうかと思います。トップの思いを伝えられる語り部的な指導者をどれだけ創出出来るか、が重要なのだと思います。
別途、関わっている別の会社のトップは見事に同志作りが全く出来ておらず、変な同調圧力の会社となってしまい、その事業の持てるポテンシャルを発揮するまでは上手くいきましたが、そこから新たな価値を作り出すところまでは行っていません。本当に重要なキーマンが辞めていく事(辞めたがる事)が増え、トップの能力の限界が会社の限界となってしまっています。
同士を作れるか否かは、その人の人間性・人間的魅力や人に働いて頂いているという感謝の意識を感じさせられるかが重要なのだと思います。この会社のトップの自己都合が透けて見えてしまっていました。

自分が楽しく充実したビジネスマン生活を送る為に奮闘するように、共に働く従業員もお取引先の方々も楽しく充実したお仕事できるように、自然と配慮出来る気持ちが大事なのだと思います。(ダンバー数とは関係ないですね)
ところで話を元に戻すと、このダンパー数はどうやら脳の表面積に比例するらしく、チンパンジーやゴリラは人間より少ないのだそうです。このネットワークの拡大が種としての強さに繋がるカギなのかも知れません。(別ブログのトランザクティブメモリーにも通じる)

そして直接の関係性を超えたビジョンの共有までもが、唯一出来た生物ホモサピエンスが地球の支配者になってきたのでしょう。集団の力が種の勝ち負けになるのですね。ご興味ある方は是非「サピエンス全史」をおススメします。

日常の気付きや、ちょっとした会社の出来事(けっこう重大か?)が、霊長類研究結果や人類史に繋がると、なんだか真理に触れたような気になって、独りこっそりとアハ体験を楽しんでいます。