事業運営を確実に進め、成長していく為の根本原理と言えるKPI運用とそのベースとなるマジックナンバーについて書きたいと思います。
KPIとはキー・パフォーマンス・インジケーターの略で、何らかの成果を挙げる為に必要となる重要先行指標のことです。
KPI運用は何のためにやるかというと、一つの成約を得る為に、10件の商談が必要、10件の商談を作る為に100人のお客様にアプローチする、など、逆算方式で目指したい成果の1つ前の重要指標を決め、特化して追いかける手法です。(多く設定し過ぎると大変なので、3個程度設定して、今は特にこれが大事とメッセージする必要があります)

今やどこの会社でも結構当たり前にやっているのではないか、と思いますが、その際に大事なのは検証してみると、組織・チームによってその成果が大きく違っているのと、案外上記に記載したような転換率(コンバージョン・CVR)が実は違っているケースが結構多いという事。
組織・チームによる違いに対しては、その違いは何によるものなのか分析し、高い数値が出せているところから汎用化できるナレッジ(knowの名詞形・コツの意味)抽出が出来るかが重要となってきます。このナレッジについてはその抽出法・展開法など別途書かせて頂きますが、ものすごい影響力を持っています。なにせコンバージョンが2倍に出来るナレッジが見つかると、成果を2倍に出来るということですから!!

で、この確からしいコンバージョンをある程度の実証をもって全体展開できると、その数値自体が不思議な効力を発揮して、全体成果を押し上げる事があります。それが私の解釈では「マジックナンバー」。・・・この言葉自体は「キーエンス」の方に教えて頂きました・・・
有名なところではフェースブックに初登録した人は7日以内に10人の友達が出来ると定着稼働し始めるとか、某通販会社では最初の通販注文から28日以内に再注文をすると固定客になるとか、ネットでは一つのサイトに8分以上いると再訪問確率が倍増する(?)とか、等があるようです。なので、これらの運営企業はそうなるようにいろいろなアプローチを仕掛けてきます。

私が関わっている業界でも、10件の購入反響が来ると仲介だと1割・直販だと2割とか、毎月管理顧客から約2割が決定するとか、10件の案件取得すると6割が商談に乗って2割が決まるとか、いろんなマジックナンバーが見えてきます。
きっとこれって「大数の法則」と近しい概念なのかとも思います。
で、大事なのがこれを強く意識してスケジュール化して推進すること。
標準が示されたことで、何をいつまでにどれだけやるとどんな結果になるのかがおおよそ見えてくる。だからその先行指標となるプロセスをしっかり計画的に行う、というのが非常に重要になってきます。
上記が上手く運用できるようになったら、今度は行動数を増やすのではなく(それはそれで大事ですが、疲弊に繋がりやすい)、全体コンバージョンアップの為に突出した数値を示すチーム・メンバーのところにナレッジを抽出しにいくのです。

こんなサイクルで生産性が上がっていく傾向にありますが、要注意ポイントとしては、これらの行動をしているのは「ヒト」であるという事を忘れない事です。
ヒトは感情を原点に駆動されるめんどくさい存在で、であるが故にそこから面白みを見つけたり、想定外のアイデアが生まれてきたりするのですが、時々ダメな経営者はヒトをモノ扱いしてしまい信頼を失う事があります。

KPIやマジックナンバー、ナレッジなど便利な考え方はありますが、全てはヒトに動いて頂く、という視点でどうモチベートするかが最も重要なポイントだと思います!!
