「日本は生産性が低いと言われています、皆さんは生産性を高めなければならない」と言っている経営者がいました。その意味をしっかり分かって(付加価値労働生産性)言っているのであれば悪いヤツ、正確な意味も分からず(物的労働生産性と解釈してしまっていたら)言っているのであれば愚か者。
それを聞いた社員は単位時間内にもっと沢山の仕事をこなさなければ!スピードイズパワーと頑張る人もいます。部分的には正しいのですが、正確には何か欠けてしまっていないかが、気になるところです。

生産性はどのように計算されるのでしょう?
そもそも労働生産性には2種類あるらしく、「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」で、よく世界比較されるのは後者のこと。
付加価値(分子に組み込む)は、人件費・企業運営費・経常利益・減価償却費に分かれます。人件費は給与や報酬だけではなく、社会保険料や会議費・接待交通費をはじめ、従業員にかかったすべての金額を指す、との事です。
労働者の人数で割り、1時間あたりの労働生産性を求めたい場合は、労働者の人数と労働時間をかけた値で割るとのこと。
つまり分子にはお給料が入っている!!
っちゅうことは給料が低いと生産性が低くなる、ということ!!
ご存知の通り日本ではこの30年間、給与が上がっていないのです。。。同期間でアメリカ・イギリス1.4倍以上、ドイツ・フランス・カナダ1.3倍以上になっているのに!
そりゃ、数値上の生産性下がるわな。(それだけが原因とは言いませんが)
ローワン・アトキンソン曰く(いやいや、それはMr.ビーン)、もとい新自由主義者デービッド・アトキンソン曰く、日本には奇跡的にバカな経営者が多く、生産性が低いのは彼らの責任が大きいとのこと。アトキンソンの本では日本人の労働の質は世界4位だそうです。生産性との乖離はバカな経営者に原因があると書かれています。

30年間給与が上がらない日本の「良いものをより安く」思想は一見素晴らしいように思えるのですが、近視眼的なものでしかなく、グローバリズム跋扈する現代では不幸の根源となってしまっているようなのです。
「良いモノはそれなりのお値段で!」そして「それを創る人達にもそれなりのお給料を」としなければ生産性は上がらないのです。
「生産性」と言う言葉が持つ誤解を生じやすいニュアンスにも問題があります。アホな経営者とズルい経営者は知ってか知らずか、この言葉のニュアンスを利用しているように思えてなりません。
なので、良いモノはそれなりのお値段で、それを創る人もそれなりのお給料で!!を日本の当たり前文化に根付かせていきたいですね。
