バネチャンネル

引退ビジネスマンのモノローグ



メディア変遷と生物のDNA

前職大手情報誌企業にて非常に貴重な経験をさせてもらいました。

ある特定の情報を世の中のお客様に提供する事によって企業ニーズとマッチングして、物凄い利益を得ていた企業でしたが、26年在籍した中で、有料本→フリーペーパー→ネットへとおおよそ10年のサイクルで乗せ替えていくリアルな現場を体験する事が出来ました。

不動産情報を分厚い週刊雑誌の形に加工して(コロコロコミックのようにホントに分厚い)280円で売ってたように思います。

これが途中からフリーペーパーを並行で発行するようになり、街中のありとあらゆる場所にラックを置き、自由に持ち帰って頂く商品に変えていきました。

更に更に、今度はネットに乗せ替える商品企画の変更をしていきました。

振り返ってみると、情報がタダでどんどん大量に入手できるようになっていく変化に改めて驚きがあるのは当然として、見事に企業内でイノベーションのジレンマの解消策を展開してきたのだなぁ、と感心します。

有料誌にとってフリーペーパーはにっくき敵、フリーペーパーにとってネットは殺したいほどコストのかからない強敵だったりするのですが、社内の同一組織の中で何度もの失敗・やり直し繰り返しながら、既存媒体を将来駆逐していく競合媒体を自ら育てる仕掛けを運営をしてきたのです。(結果論かも?)

当初は対立構造もあったりしたのですが、前向き組織風土の中でなんだかんだと協力しつつ、最終的には事業としての一体感を持って推進していく組織だったなぁと思います。(過去にこだわり過ぎた人は冷遇されてましたが)

私はと言えば、そんな仕事をしながら徐々に責任範疇を大きくしてもらっていったのですが、最後にクライマックスが待ち受けていました。

フリーペーパーの地方組織全体を担当させて頂いたのですが、利益が出てません。。。最終結論としては11拠点を閉じて(100名強のメンバーに異動・転職して頂く)、全てネット化する事で利益が出る体質に変えていくミッションを遂行させて頂きました(ってか当初はやりたくなかったし、大変だったけど、議論の中で自ら言い出してしまった策でもあった)。

ま、その辺のことはあらためて書かせて頂くとして、ここで書きたいのは、生き物も事業も媒体も商品も、全てDNAを持っていて、目に見える物体はそれを未来に乗せていく乗り物・器でしかないのだなぁ、と強く感じたという事です。

唐突ですが「スピーシーズ(種の起源)」というSF映画があります。宇宙の知的文明らしいものからの通信が届き、科学技術を発展させる便利な知見がいくつかと謎のDNA情報が送られてきたのです。科学技術系の情報で人類に大きな利益をもたらしたのですがそれは油断させる為の餌でしかなく、DNAから生命組成をしたところ人類を駆除する殺人兵器が出来てしまう、と言う話です。

で、言いたいのは本質はDNAであって、乗り物は何でもよい。情報誌だろうとフリーペーパーだろうとネットだろうと電波だろうと殺人兵器だろうと、何でも良くて、より良い情報(より生き延びやすい情報)に改良しつつ未来へ乗せていくツールでしかないのだな、と思ったりしたのでした。

DNAの目的は生き延びて、拡大し、存在し続けること(かな?)。

それを乗せた生き物・人類・経済・資本主義も同じかもよ?と思ったりしたのでした。

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