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引退ビジネスマンのモノローグ



返報性の法則

昨夜も名古屋夜散歩しながら無言の独り対話を楽しみました。

夜の名古屋城

私は道の端っこを歩くクセがあるのですが(クセというか安心感?)、ベッタリ端っこを歩いている時に前面から自分の軌道に入ってくる人がいると、反射的に「ぜったい避けない」と思ってしまいます。

織田信長公

で、0.5秒後くらいに、ホントにちっちゃい人間だなぁ、と自分を責めながら、自ら軌道を変えるのですが、この一瞬の感覚が必ずあります。また、前面の人によっては自分に気付いて歩く位置を早々に変えられる方もいます。そうすると内心「お気遣いありがとうございます!」と感謝の念でいっぱいになります。

こういう場面でいつも思い出したのは「影響力の武器」シリーズに出てくる「返報性の法則」です。

※「影響力の武器」3シリーズ(たしか3つ)は人間の社会的活動における心理学的傾向について多数の実証事例を元に解説されている名著です。

主に6つの法則が書かれています。返報性・コミットメントの一貫性・社会的証明・希少性・好意・権威による人の活動傾向が分かります。アメリカの調査データなので、一部、違和感があるところもありますが、全体としては非常に納得感ある本で、世の中のマーケティングの基本に活用されています。

返報性の法則とは、簡単に言うと相手にしてもらった事をお返ししたいという本能的衝動の事です。一部のサイコパスや異常者を除き、普通の人には備わっています。

この感覚は一律ではなく、人によってその影響幅が大きく違うようです。

相手にしてもらったことと同程度をお返ししたいという感覚の人もいれば、それ以上のお返しをしたいという人もいます。

逆にイヤなことに対しても仕返しをしたいという感覚を持ちますが、この仕返し程度も人によって大きく差があります。

いい事のお返しの振れ幅と、イヤなことに対する仕返しの振れ幅は、相関しないようです。

私の場合は、どちらも振れ幅の大きいタイプだと思います。道のどこを歩いているか程度でいちいちそんな感覚になってしまうくらいなので。。。

ですが、これは衝動であって、後から理性でコントロールする事が出来るかどうかが重要です。

衝動をそのまま行動にしてしまっていたら、きっと浪費しまくり、詐欺にひっかかりまくり、ケンカしまくり、絶交しまくり、の人生になるでしょう。

そんな人間の特性を分かった上で、どう自分自身をコントロール・デザインするかが全体としての人格になります。心の中に悪意やイヤな感情があったとしてもそれをコントロール出来れば良い、行動にしないよう制御しつつその感情を自ら許してあげよう、と思えたら平穏になれます。

また、この感覚はビジネスでも同様だと思います。えてして利益の創出場所はグレーな領域にチャンスがあります。この時にどこにラインを引いて、どこまで踏み込むか、という感覚を持ちコントロールできるかが非常に重要だと思うのです。その際の重要な軸は取引する相手とのゼロサムゲームになってしまっていないか、ポジティブサムゲームに出来るか?という視点だと思います。

無理やりですが、散歩も人格もビジネスも繋がっているなぁ、と思った名古屋夜散歩でした。

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