ファシリテーション(facilitation)とは会議や研修、ミーティングなどさまざまな活動の場において、良質な結果が得られるように活動のプロセスをサポートしていくこと、と言われています。
ファシリテーターとは、その会議や研修の進行役のことです。
このファシリテーターの進め方によって組織や企業のパフォーマンスが大きく変わってきます。組織成果に大きく影響するので、組織長やリーダーと言われる人には必須のスキルと言われています。

ただし残念ながら私が見てきた組織のリーダーは決してこのスキルが高いとは言えません。そもそもこういうスキルがあるという事、これによる組織パフォーマンスの違い、と言った事を学ぶ場・認識する場が少ないように思います。
以前の職場で優秀と言われるある組織長は「最も成果上げる手法は良い会議をする事だ」とまで言い切っていました。私も同感です。なぜなら全員の知恵を集結させて最大最高知見(こんな言葉はありません)として合意して、それを推進しようとチームで目線合せした上での活動内容は質が明らかに違うと思うからです。
ファシリテーターは複数名の知力を最大限活かす為の非常に重要な役割と言えるのです。

一方で会議やっても何も生産しない、という方もいます。そういうコメントは残念ですが、意味ある会議をやってこれていないという経験値から来る発言でしょう。あるいは新たな知見が必要ない、現場の意見が必要ない、実行する人達の感情は必要ない、と言う業務では確かに不要かも知れません。が、そんな仕事あるのでしょうか?仮にあったとしても、そんな仕事したくないですね。。。

今まで経験してきた中で、ファシリテーションに必要なポイントは以下だと思います。
①事前準備:何の準備もせず、流れに任せて会議しよう、というファシリテーターの会議はグダグダになります。自分なりのシナリオ・参考資料などをしっかり準備して臨む必要があります。
②目的明示:日本企業の会議はなんとなく始まって、テーマが何でゴールを何処に置くか決められないまま、なんとなく終わるものが多いと言われます。会議テーマの明示と、その必要性、この会議のゴール、を明示する必要があります。
③参加者状態把握:各参加者がどんな気持ちで臨んでいるのか出来るだけ把握しておきたいです。その手法としてチェックイン(今の、気持ちを簡単に表明しあう)というのが有効です。
④双方向性:主催者がベラベラ一方的に話して自己満足している恥ずかしいケースが結構あります。それは会議ではなく通達の場です。あくまで双方向である事をファシリテーターがしっかり認識する必要があります。
⑤発言者のバランス、参加者全員に発言を促す:声のデカい人に会議が蹂躙されたり、肩書のエラい人が同調圧力を利用して方向付けしようとするケースがあります。ファシリテーターは自ら喋り過ぎず、フラットに論理的に交通整理してあげ、意見を出していない人に振るなど全員参加を促すことで納得感ある会議にする出来ます。
⑥参加者の感情に配慮する:みなヒトですので、パシャっとダメ出ししたり、否定・拒絶するのはNGです。みなが発言しても非難されない場を作る必要があります。「心理的安全性」が会議の場では特に必要となります。
⑦一番大事なこと:笑顔で発言する!!会議参加者は全員笑顔!!

これらを会議を進める前に確認した上で、あるいは場合によっては全員に表明した上で会議を進めてみると今までとは一味違った面白マジメで楽しく実のある会議になると思います。