私がかつて籍を置かせて頂いたR社の創業者は一つの取組みで2重・3重にメリットを発生させる天才と言われていたようです。
詳しくは「企業の天才」をご参照下さい。

私は江副さんとエレベーターで2回一緒に乗ったくらいしか接点(接点と言えるのか?)がありませんが、26年間も彼が作った会社にいたことで、知らず知らずのうちに大きく影響を受けています。DNAのほんの端っこを引き継いでいるなぁ、と我ながら感じる事があります。
それはビジネスにおいては多少いかがわしいくらいがちょうど良いという考え方と、一つの策で出来るだけ楽に2つ3つ得られるモノがあればイイなぁという根本思想です。
前者のいかがわしさには理由があります。過去の歴史上、全ての新しいビジネスはいかがわしいところからスタートしている事が非常に多いのです。違法サイトが音楽配信サービスの走りになっていた事実や、FBの女性蔑視的サイトからのスタートしたにをはじめ、大きなビジネスの初期は危うい違法ギリギリの策を展開する事はよくある事です。あるいは当時は違法に近いところからルール変更を企て世の中を変えていった企業が多いようです。時代と共に規範は変わっていくものです。

ど真ん中な正道をレッドオーシャン(血まみれの海)にして殺し合うのが良いのか、ブルーオーシャン(見方によってはニッチで、いかがわしい競争の少ない領域)で勝ちに行こうとするのかは、そのチームのDNAによって左右されるような気がします。
競争戦略の大家マイケルポーター博士曰く「真の競争戦略は競争しないことだ」と言ったとか言わなかったとか。
もう一つの楽に2つ3つのメリット取得を目指すことは、個人的には三方よしに繋がる事が多いように思います。ある1点だけにメリットを絞り込んだ単視眼的なモノでなく、関わる複数の方々にメリットがあったり、二重三重に(時には時差をもって)利益創出に繋がる施策は太く力強い利益をもたらします。とは言え、私が仕掛けたモノは今より楽に利益が上げられる策でその利益の余剰で実施するメンバーにインセンティブも返せる事で、より拡大速度が増す策がほとんどでしたので、江副さんの取り組みと比較するとミジンコレベルのモノでしかないのですが。。。

ただ、周囲を見渡すと意外にこういう仕掛けが出来る人は多くないのです。
何か目に見えないタガをはめられているように堅苦しい仕事の仕方をしているなぁ、と良く思います。なんでそんなに真面目なの?と問い掛けたくなってしまいます。
私自身はまだまだ未熟で、学びの途上ですので、今後もっと周りを巻き込んで一粒でみんなが美味しく思え、二重三重に利益をもたらす策を創出できていけたらイイなぁ、と夢想しています。
