同調圧力って世の中のいろんなところにありますね~。
特に会社の会議(特に経営会議)ではしょっちゅう見ます。ほとんどの会議で2/3くらいの人達は参加しなくて良いのではないか、と思ってしまうくらいです。
同調圧力に合わせてしまう人達も良くないと思いますが、それ以上にそういう圧力を無意識にかけてしまう人が一番NGだと思います。意識的に同調圧力をかける人は言語道断です。
同調圧力に支配された場を作らないように、特に気をつけるべきは役職のより高い人達だと思います。

より確信を持った意見をアピールするというのと、同調圧力は全く違うはずですが、その区分がついていない役職者がとても多いと思います。
反対意見を出しづらい雰囲気を醸し出したり、反対意見に対して否定的な雰囲気を作ってしまうと視界が狭くなり、課題・打ち手の幅が無くなってしまいます。これらを左右するのは権力のある側のちょっとした対応や配慮の差によります。
ちょっとした雰囲気の違いから人は自分に不利に働きそうな意見を言わなくなるものだと認識しているトップがいれば議論の幅を出す為にマイノリティリポートを大事にする対応を心掛けられます。が、薄っぺらな上役だと自分の方針にそぐわない意見を瞬殺してしまいます。
これは権威主義国家と同じで、「開発独裁」状態だと成長が早い事はよくあります。成果が合議制よりも圧倒的に早く出せるフェーズがあるものです。

ただし時代の変化にその独裁者がいつまでついていける柔軟な頭脳を持っているかが問われる事になります。最終的には独裁は滅びに向かうというのが歴史上、何度も繰り返され証明されてきています。
成長成果という意味ではスタートアップでは独裁が適していて、ある程度の規模になると様々な意見を取り入れてバランスを取れる思考が必要になるのだと思います。時代の変化・環境の変化はもとより、ステークホルダーの複雑さ度合いが全く変わってくる為だと思います。
企業の成長のギヤチェンジタイミングに、これを意識的に切り替えられる経営者は本当に優秀だと思います。

さて、「同調圧力」の存在ですが、上記のような事業運営において上手くかどうかを測る為の一つのポイントだと思います。
決められる環境だが、なんにも言えない環境(上席に心地よい内容を取捨選択しながら発信するのが当たり前化してしまった職場)では頓珍漢施策を本気でやってしまう事がある。守秘義務上、今は言えませんが超具体的なアホ施策をいくつも見てきました。
一方で、何でも言えても何も決まらない環境は目的組織として不適格ですし、何も言えず言いたい人だけが決めていく環境もヤバいですね。何でも言えて、最適なモノをフラットに探し出す・創り出そうとする環境が最強だと思います。
また、仲良し関係と、同じビジョンに向かって健全に議論する関係も全く違います。ともすると孤独な経営者は自分にとって心地よい仲良し集団を形成してしまい、幻想の中に仲間を作って安心してしまう心理で、健全な議論が阻害されてしまう事もよくあります。

これらを考えると、やはりトップの資質は非常に重要ですね。頭の良し悪しも当然に大事ですが、それ以上に人の能力を引き出せる能力を持っているか、が一番重要だと思います。同じビジョンに向けて「籠に乗る人、担ぐ人」の関係性を作れるか、ですね。
となると全方位的なバランス感覚と、異なる意見から高次の結論を導き出すというヘーゲルの弁証法的能力を持ち合わせている人が望ましいですね!
そんなスゴイ人はほぼいないと思います。だからこそ貴重で高給取りの資格があるのでしょうね。
いずれにしても個人的に同調圧力は大嫌いです!
