優秀な企画書は文字が少な目で、図形が多いように思います。
言葉よりも図や絵が直感的に理解できますね。

文字で解説していくと、文章を構成し、文字を追いかけながら理解していく為、途中で前段の内容がかすれてきてしまったりして、理解するのに時間がかかります。また、後日、どんな内容だったかを思い出すにも文字よりも図形の方が圧倒的にスムーズな記憶の呼び覚ましに繋がります。
パーツパーツの関係性と繋がり、時間軸、流れ、影響関係、そしてストーリーが伝わりやすいのだと思います。

また、全体と部分を同時に見る事で全体構成と部分がどう関係するのかも分かり易いですね。
同時にインチキもしやすい(大げさに示しやすい)ところもあるので見る側は要注意という事もあります。グラフの下の方を端折って変化幅を大きく見せたり、円グラフの過去と現在の比較で大きさを敢えて変えることで変化の大きさを過度に演出したり。。。

ある意味、メラビアンの法則(見た目5割、耳4割、内容1割)と近しい効果を作り易いツールだったりもします。
かつて塾の講師のバイトとやっていた時もホワイトボードに図を書いて示すと子供たちの理解が進みやすいと気付いた事もありました。
また、人によって好きな図形があるようです。私の上司で丸を描くのがとても上手な人がいて妙に感心した記憶があります。なんで真ん丸な円を描けるのか本当に不思議で、こっそり練習しましたが真ん丸には程遠い卵ばかりしか描けませんでした。こういうところにも才能の違いがあるのだなぁ、と妙に感じ入りました。

私の好きな図形は丸(真ん丸ではないが)と、三角形、矢羽根が好きです。
丸はベン図で複数の要素の規模感と関係性を示すのに適していて、ピラミッドはマーケットの形状を示すのにとても便利です。矢羽根は計画設計にはなくてはならないものです。
何よりも作り手・話し手である自分自身の内容定着が進みます。
また、図に落とせるという事は、要点を頭の中で整理出来ているか、ともリンクしているように思います。混乱した内容は図には落とし込めません。全体構成とメカニズム・展開が明確になっているからこそ図形に変えられるのだと思います。
ある時、調子に乗って図形だけの企画書(子供の塗り絵のような)をクライアントにお持ちした事がありましたが、「なんじゃ、こりゃ?」とさすがにいぶかしがられたこともあります。文字による補完で完璧になる、と行き過ぎには要注意という事を学びました。

ラスコー洞窟の壁画も、少しゆとりが出来た原始の人達が、何かを伝えたり、残したりする為、そして何よりも面白がって描いたのだと思います。
そう考えると図や絵を描く事も動物と人を大きく区分する能力の違いの一つなのだと思いました。せっかく人類に授かった特殊能力なので更に高めていきたいですね。
