この法則は面白くて興味深いです。
マーケット占有率と競争優位性を明示した法則のことで、元々は第一次大戦の空戦における勝率を計算して何機対何機で対戦するとどういう確率で勝つかを分析したものですが、こちらが様々なマーケット競争戦略に使われるようになりました。

超簡略化したポイントは弱者が強者になれるとこまでマーケットを細分化していき、その領域内における強者として勝つ。ついで勝てるエリアを徐々にミクロ単位で拡げていくことで勝てる領域を拡大していき成長していく戦略です。
前職の広告業では正にフル活用する営業マンが数多くいました。

どのように使うかというと、ある特定商圏における広告ボリュームに着目し、そのマーケットで戦うクライアントへ、混在マーケットの相対的強者に値する20%(正確には19%)のシェアを獲得しましょう!という提案をするのです。
そして、それがA社で実現されたら、B社にも同じ提案をしていき、更にC社にもし、同様レベルの複数の会社にシェア取り合戦を仕掛けるのです。
そうなると相対的に強い複数社がシェア取り合戦していく事で、総ボリュームが上がっていくのです。ズルいと思われるかも知れませんが、それなりの広告効果がなければ出稿は続きませんし、総ボリュームが上がっていくと総反響数も増えていき、結果的なWINWINが成り立っていくのです。
そして更に強くなれるポテンシャルのあるクライアントが出てくると、そこには安定強者たる42%超えを目指しましょう、と提案していきます。ここまで広告シェアを獲得するとどうやら全体反響の半分以上を獲得したり、認知率効果や、ブランド効果が出てくるようなのです。
そして上記の状態が完成してきたら、2番手に追い越しを仕掛けます。そうやって広告総量がどんどん拡大していく悪魔のような戦略です。

しかり悪魔戦略は、毒をもっています。
圧倒的強者レベルに至ったクライアント内の広告費に占める割合も40%を超えるくらいになってしまうと、今度はクライアントにとって我々R社がヤバイ存在に見えてくるのです。R社が値上げした瞬間に広告費爆上がりしてしまいアッという間に利益棄損してしまいます。なので40%も広告費を出している業者が敵化していってしまうことも度々あります。・・・まるでどこかの国際情勢のようです・・・
また卒業組も出てきます。こんなに高い広告費出してるなら自前でやれんじゃね?と気付くのです。。。確かにある特定の規模感になると自前の方がやりたいようにやれて合理的と言う場合もあります(それをコントロールできる能力があればですが)。
こうしてかつての仕事を思い出すと、プラットフォーマーは強力でかなりヤバい存在だと思うのと、世の中の力学は政治や経済も似ているなぁと考えさせられます。でも当然ですね、プレーヤーが同じ人間なのですから。
