バネチャンネル

引退ビジネスマンのモノローグ



売残り不動産の不思議な売れ方

前職で面白い現象と言うか、明らかな傾向があったので記載させて頂きます。

前職は中古の居住用不動産を買取り、リフォームを加えて、それに見合う価格設定して販売する事業でしたが、思い通りの価格・スケジュールで売れない事も良くあります。

販売を始めて約半年を超えると長期在庫として販売を急ぐルールが設定されています。

この事業では都市部が比較的難しく(マーケット影響を受けやすい為)、その難しい都市部を切り離して特別な営業部として運営させて頂きました。

その際に長期在庫の売れ方で面白かったのが、長期化した案件の8割が結局半径3キロ内(しかも、そのほとんどは2キロ内)のお客様からの購入となっていた事です。

販売を始めて長く広告しているので、近くに住んでいる不動産購入意欲のある方々はきっと知っているであろう、と思っていたのですが、全く逆の傾向を示しました。

これは長期在庫と言われた案件が売れた際にたまたま数件、購入者の前住居を確かめて見ると非常に近くにお住まいの方だったので、それ以降は成約報告に前住居との距離も報告内容に組み込んでもらう事にしたところ明らかな結果ぎ見えてきました。

売り出し間もない案件が成約する場合、かなり広いエリアからの購入者が認められるのに、長期在庫ほど近くにまとまってくる、と言う一見、変な傾向が見つかりました。

何故なのでしょう?

長期在庫化する案件は、ミクロ立地や、そこに至る道路や、物件自体の品質と価格の乖離などの理由があってそうなってしまうのですが、価格は調整したとしても改善させられようのない立地やアプローチ道路はそれらを許容出来る人しか買えません。つまり近所で同じような環境に慣れている人なら許容しやすいのです。

また、購入者はだいぶ前から売り出しているという事を知らないケースがほとんどでした。つまり購入意欲の高まるタイミングで認知されるか?という事が非常に重要なのだなぁ、と認識しました。

これらの原因仮説から打ち手にも繋がっていきくハズです。

どのタイミングでこの距離圏の方々へどんな媒体を使ってアピールするか(近場の仲介会社の管理顧客含む)を考えながら戦略設計していくと確率が高まっていきます。

担当者視点ではたまたまの事象ですが、組織的視点で見ると対策に活かせる内容ですので、営業企画的視点で現場担当者の販促施策に適切なバランスで組み込んでいけると良いです。

しかし、不動産のような一件一件が大きな金額が動き、大きな報酬をうむ事業は、こういう仕組み化が非常に苦手なのです。

本来であれば逆のハズなのですが、むしろ個別性に取り憑かれて確率論や、勝ちパターンを実行出来ない傾向が強い業界でした。

「終わりよければ全て良し」で終わらせてしまう傾向がかなり強い業界です。

もっと前段階の「プロセス良ければ終わり良し、終わりよければ全て良し」ですよね!!

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