世の中のマネジメント手法を大分類で分ける時の1つの軸が、この「マイクロマネジメント」と「モチベーションマネジメント」だと思います。
いわゆるマネジメントの本ではこの二つを並列で語る事はないかと思いますが、私はこの2つが対局にあると思っています。
「マイクロマネジメント」は細々とした一つ一つのアクションを確認しながら精緻に進めていくマネジメント手法。個人的には別名「奴隷マネジメント」。やり方が全く分からない人に導入として限定期間のみ実施するのであれば良いのですが、ずっと継続してしまうと、メンバーは信頼されていない感覚となってしまい、仕事の楽しさを奪われ、個人の思考を奪われ、人格を奪われてしまう。結果、業務効率が下がったり、人が離れていくマネジメントだと思います。

瞬間は細々進めるのでうまい事いくように思えるのですが、口うるさい姑のような上長を疎ましく思うようになりやすいようです。更に良くないのが上長はかなり仕事してる気になってしまう錯覚を持ってしまい、上長・部下の認識ギャップがどんどん広がっていく傾向があるようです。背景に上司の人を信頼しないスタンス・自分が主役のスタンスがあるからだと思われます。

一方で、個人的に思う本当に意味あるマネジメントは「モチベーションマネジメント」だと思います。大きな目的と方向性を示し、当然やり方も示すものの、進め方はその本人にある程度任せる。そして結果責任を担ってもらう。ある程度のスキルが身についてこそ実現できる手法ですね。

その際に上長が示すべきは、既存のやり方、目的がズレなければそれとは違っても良い旨、自分なりの工夫で改善していってほしい旨、困ったら何時でも支援する旨、そして一番大事なのが期待感だと思います。
モチベーションマネジメントのプロセスでは、メンバーへの目的の完全装着が求められるので、活動と結果の繋がりを強く意識する事になります。また、メンバーの動きや結果からナレッジが見つかる事も結構あります。これって、そのままビジネスプロセスの進化に繋がったりします。そしてメンバー自身の創造性が培われ、代えがたい人材が育ちやすくなると思います。

手先の小器用さよりも、本質的な心の源泉を重視する重要な考え方だと思います。